インフルエンザ感染者が増加しているようですので10月1日からインフルエンザワクチン接種を開始します。ワクチンの種類は①不活化ワクチン(注射ワクチン) と ②点鼻ワクチン(フルミスト)がありましす。
(1)不活化ワクチン(注射ワクチン):A/カリフォルニア株、A/ビクトリア株、B/ブリスベン株の3種類
作用機序:半年前に流行が予測されたウイルスでワクチンが作られる。不活化ワクチンであるため、液性免疫が中心であり、血液の抗体産生により、感染を予防する。予想された型以外が流行して場合、予防効果は期待できない。
対象年齢:生後6ケ月以上 効果:約5ケ月 発症予防効果:約40~60%だが重症化は防げる 接種回数: 12歳以下は2回接種(2~4週間隔) 13歳以上は1回接種 注意事項:卵から作られるワクチンですので、強いアレルギー反応(アナフィラキシー反応)が見られた方は接種を控えたほうがいいでしょう。食べた後、発疹、蕁麻疹が出た程度であれば、接種可能(30分診療所で経過を見る)。
接種料金:小児、成人関係なく3300円(税込み)今までとおりで変更しません、高齢者接種は小郡市の規定のとおり
(2)点鼻ワクチン(フルミスト):A/ノルウェー株、A/パース株、B/オーストラリア株の3種類
作用機序:①弱毒化生ワクチンであるため、不活化ワクチンと違い、液性免疫に加え細胞性免疫効果がある。そのため、ワクチン株の型の変化に強く、多少変化しても(株以外の流行があっても)予防効果が期待できる。 ②鼻粘膜での免疫反応(分泌型IgA抗体産生)により、気道粘膜での感染予防効果がある。
対象年齢:2歳以上~19歳未満 効果:約1年 発症予防効果:70~80%、重症予防効果もある 接種回数:1回(注射ではなく、両側の鼻腔に噴霧します) 副反応:①鼻水、咳、喉の痛み ②ワクチン株によるインフルエンザ感染:フルミストは弱毒化生ワクチンですので、ワクチン株によるインフルエンザ感染の可能性があります。症状は1週間以内の発熱で発症し、3日~7日症状が改善します。去年、50名にフルミストを接種し1名インフルエンザ感染者が見られました。高熱でしたので、抗ウイルス薬を投与しました。野生株の感染と同様な経過で改善しました。しかし、抗ウイルス薬を使用したため、3種類のワクチン株に影響したためワクチンの効果が抑制され、この児はB型の流行株にも感染してしまいました。この経験から、発熱が見られた場合、児の状態が悪くなければ、ワクチン接種した意味を大事にし、効果を得る目的で、抗ウイルス薬を使用せず経過を見たいと考えています。
注意事項 ①喘息患者、喘息症状を認める方(長期に内服予防投与中、吸入ステロイド使用中、喘息の入院歴がある方は控えたほうがよいでしょう。)、ゼラチンアレルーギのある方は接種を控えたほうがいいでしょう。 ②接種後1~2週間は免疫不全の方、弱い方との接触は控えたほうがよいでしょう。 ③基礎疾患のある方;心臓病、肝臓病、腎臓病、免疫不全などの基礎疾患がある方は接種を控えたほうがよいでしょう。
接種料金:7500円(税込み)(昨年は7200円としていましたが諸事情により)