先週から小郡三井医師会から小郡三井地区のインフルエンザ感染の報告が始まった。その報告を見ると、私が思っていたより多くの感染者報告があった。県から報告される学級閉鎖・学年閉鎖は小郡周辺の報告は少ない印象であったが、実際には、かなりの感染拡大が確認された。今週の福岡県、小郡医師会のインフルエンザ感染の報告は、下記のようにさらに増加している。今後もさらなる増加が予想されるため、今以上の感染対策が必要だと思える(予防接種、マスク、手洗い、換気などの)。どうも、現在流行しているA香港型ウイルスは、従来のウイルスではなく、変異型のウイルス(サブクレードK)らしい。そのため、以前、A香港型に罹患し獲得た免疫を潜り抜けて感染しているらしい。また、予防接種もA香港型に対応していたが、予想していたA香港型ではなく、その変異株の流行だったため、期待された効果が得られるのか疑問視されているらしい(しかし、最近のイギリス、WHOからの報告で、ワクチンは変異株に対しても、発熱などで病院を受診、入院を防ぐ効果:ワクチン有効率は、2~17歳で72~75%、18~64歳で30~40%であり、成人ではそれほど高くないが、小児では高い有効性を示すと報告されている)。多少の感染予防効果は疑わしいにしても、肺炎、脳症の重症化を予防する効果は確実にあるので(予防接種の効果が出るのに、最低2週間を要するが)重症化を防ぐ意味でも、今からでも遅くないので、予防接種はしていたほうがいいと思う。
福岡県の状況(12月4日発表分:第48週 11/24~11/30) 疾患名 4週前(報告数) 3週前 2週前 先週
福岡県:インフルエンザ 1562 2549 3990 5962 157%→133% 小郡・三井:インフル 408 506 124%
コロナ 151 110 78 76 71%→97% 溶連菌感染症 281 362 371 297 102%→80% 感染性胃腸炎 311 353 383 294 108%→77% RSV感染症 95 63 46 45 73%→98%
当院における感染状況: ① インフルエンザ:かなりのインフルエンザ流行になっており、より一層の感染対策が必要! ②マイコプラズマ肺炎:今週もまだ、3名の感染者あり。 ② 溶連菌感染症:まだ、感染者が減っている印象はない。 ③ 感染性胃腸炎:今でも感染者が多いが、冬場にウイルス性胃腸炎が多い傾向がある。点滴が必要な児も見られ要注意!嘔吐した場合、吐物以外にも、空気中にもウイルスが浮遊していて感染源になる。報道であるように、ノロウイルスはアルコール消毒の効果も十分ではない。しっかり流水による手洗いが大切!下痢便の中にもウイルスがいるので、おむつ交換後にも手洗いをいましょう。さらに、暑くなるにつれ、カンピロバクターを中心とした細菌性腸炎(食中毒)も増えてきた。特に、鶏肉を食べる際には十分に火をとうしたほうが良いと思う。
④RSV感染症:まだ、散見されている。
