福岡県小郡市横隈の小児科

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宝満川の岸辺から花立山を見ながら(近況・感染状況・疾患説明)11月28日

寒くなってきて、インフルエンザの患者がさらに増え、先週166%と著増しています。小郡周辺でも増加していて、希が丘小学校では1年生が学年閉鎖、2年生3クラスのうち2クラスが学級閉鎖になっています。その他の小学校で学級閉鎖はないようですが、三国小学校でもインフルエンザの感染が複数名見られています。さらに、マイコプラズマ感染者、溶連菌感染症、感染性胃腸炎も多い状況です。コロナは先週は67%と減少していましたが,寒くなってきて空気の乾燥が目立ってくるとコロナ感染者も増えてくるのではないかと思われます。その感染を予防するためには、換気・マスク・手洗い、インフルエンザワクチン・コロナワクチンの接種などの感染予防対策が必要だと思われます。病気にならないよう気を引き締めて栄養・休養・睡眠・感染対策に注意して日々を過ごしていきましょう!

感染状況(11月28日福岡県発表分:11/18~11/24)                                               疾患名       4週間前(患者数) 3週間前   2週間前    先週  先週との比較(%)       インフルエンザ     273       389      691    1146    166%                            新型コロナ感染症    150       123      227     151    67%                       RSウイルス感染症    21        20      11      18    164%                溶血性連鎖球菌感染   564       423      488     456    93%                           感染性胃腸炎      433       398      540     541    100%                               手足口病        1010      790       715    573     80%                             マイコプラズマ感染症  471       583      615     485    79%   

当院周囲の感染状況                                                          (1)インフルエンザ:流行期に入ったようで、希が丘小学校では1年生が学年閉鎖、2年生の2クラスが学級閉鎖だそうです。当院では、先週は感染者は2名でしたが、今週は今のところ12名と増加していて、今後の感染の拡大が心配されます。注意してください!予防接種を早期に接種したほうが良さそう。                                                             (2)新型コロナ :先々週は増加してきていまが、先週は減少していました。寒くなると感染が拡大する可能性があります。注意してください。                                                            (3)手足口病:夏場の感染症だが、秋になっても減る気配がなく、まだ、特定の保育園で多い状況です。。                                                 (4)マイコプラズマ感染症:先週は10人感染者が確認され、今週は今のところ5人感染者がみられました。まだ多い状況です。発熱後2~3日しないと検査が陽性にならないのと、検査キットが入手困難なのが困っていることです。

マイコプラズマ肺炎の説明                                                    (1)起因菌:マイコプラズマニューモニアという細菌         (2)感染経路:咳、痰からの経気道飛沫感染                                                (3)潜伏期間:2~3週間(1~4週間)                                                      (4)感染可能期間:気道上皮に菌が増殖している期間(1~2週間)、強い呼吸器症状のある期間                     (5)症状:①頑固でしかも長期にわたる咳                                              ②発熱:一日中続く熱もあれば、昼間は熱がないが、咳き込む夜間に発熱する熱が持続する。熱が出はじめには咳は少ないが、熱が続くに従い夜間を中心に咳がひどくなる。                                    (6)診断 ①血液検査:血清学的検査(PA法)抗体が上昇するのに時間がかかる:発熱が7日持続して上昇     ②抗原検査:咽頭ぬぐい液による検査で発熱3日目で90%陽性化                                                       ③遺伝子検査(LAMP法):発熱1日目で陽性化                                                                                      (7)治療:最近マクロライド(クラリス)耐性菌の報告が多い(アジスロマイシンの普及後増加)                            ①7歳未満:クラリス48~72時間後効果なければ、オゼックスに変更(7~14日間)                              ミノマイシンは原則禁(永久歯に生え変わっていないため、歯牙黄染の可能性あり)                                                    ②8歳以上:クラリス48~72時間ご効果なければミノマイシンに変更(7~14日間)                                     ③上記の治療に反応しない場合:プレドニン(副腎皮質ホルモン)1~2日投与(マイコプラズマ肺炎は菌に対するアレルギー反応と考えられている)                                                     (8)登園・登校基準:明確な基準はないが、解熱・呼吸症状の軽快・5日間以上の有効抗菌薬の服用を目標に!                                                         ①全身状態が改善したら:解熱して、呼吸器症状が軽減したら登園・登校は可能と考えます。                                                                         ②マイコプラズマ治療薬を5日以上内服したら感染力はなくなると言われています。クラリス(治療服用期間10日間)、クラリス耐性株であればオゼックス・ミノマイシン(治療服用期間:7~14日間)を5日以上内服すれば登園・登校していいと思います。しかし、治療服用期間はしっかり服用してください。