10月3日福岡県報告分でマイコプラズマ感染症が前の週の2.5倍に増加していたが、10月10日発表分では51%に減少!10月17日報告分では感染者数は横ばい状態で感染者数は多い状況が続ずいている。小郡周辺では、東小田小、小郡小、希ケ丘小、三国小、大堰小、城山保育園でマイコプラズマの感染者がみられました。マイコプラズマの感染経路は咳、痰による飛沫感染ですので、クラスで感染者がいるようであれば、マスクによる感染対策が必要となるでしょう。潜伏期間が2~3週間と長く、感染の確認後1~2週間感染する可能性がありますので、それなりの期間マスクなどの感染対策をした方がいいと思います。
感染状況(10月17日福岡県発表分:10/7~10/13) 疾患名 4週間前(患者数) 3週間前 2週間前 先週 先週との比較(%) インフルエンザ 97 106 90 100 111% 新型コロナ感染症 471 371 313 278 89% RSウイルス感染症 54 33 28 34 121% 溶血性連鎖球菌感染 516 479 537 521 97% 感染性胃腸炎 405 364 408 421 103% 手足口病 741 781 912 1241 136% マイコプラズマ感染症 309 791 406 437 108%
当院周囲の感染状況 (1)インフルエンザ:今週は感染者はありませんでした。今後の流行に注意してください。予防接種を早期に接種したほうが良さそう。 (2)新型コロナ :これから冬にかけて寒くなるにつれて流行がくるのだろうか?感染状況は減少傾向。 (3)手足口病:夏場の感染症だが、秋になっても減る気配がなく、さらに増加していた。 (4)マイコプラズマ感染症:10月3日の県の報告では250%と急増していたが今週報告分では51%と減少していた。今週当院では、三国小学校、城山保育園、東小田小学校、小郡小学校、希が丘小学校、大堰小学校、菊池保育園の児で感染者が確認されてました。要注意の状況であることは間違いなさそうだ。
マイコプラズマ肺炎の説明 (1)起因菌:マイコプラズマニューモニア菌 (2)感染経路:咳、痰からの経気道飛沫感染 (3)潜伏期間:2~3週間 (4)感染可能期間:気道上皮に菌が増殖している期間(1~2週間)、強い呼吸器症状のある期間 (5)症状:①頑固でしかも長期にわたる咳 ②発熱:一日中続く熱もあれば、昼間は熱がないが、咳き込む夜間に発熱する熱が持続する。熱が出はじめには咳は少ないが、熱が続くに従い夜間を中心に咳がひどくなる。 (6)診断 ①血液検査:血清学的検査(PA法)抗体が上昇するのに時間がかかる:発熱が7日持続して上昇 ②抗原検査:咽頭ぬぐい液による検査で発熱2~3日で陽性化 ③PCR検査:発熱1日目で陽性化 (7)治療:最近マクロライド(クラリス)耐性菌の報告が多い(アジスロマイシンの普及後増加) ①7歳未満:クラリス48~72時間後効果なければ、オゼックスに変更(7~14日間) ミノマイシンは禁(永久歯に生え変わっていないため、歯牙黄染の可能性あり) ②8歳以上:クラリス48~72時間ご効果なければミノマイシンに変更(7~14日間) ③上記の治療に反応しない場合:プレドニン(副腎皮質ホルモン)1~2日投与(マイコプラズマ肺炎は菌に対するアレルギー反応と考えられている) (8)登園・登校基準: ①全身状態が改善したら:解熱して、呼吸器症状が軽減したら登園・登校は可能と考えます。 ②マイコプラズマ治療薬を5~6日以上内服したら感染力はなくなると言われています。クラリス(治療服用期間10日間)、クラリス耐性株であればオゼックス・ミノマイシン(治療服用期間:7~14日間)を5~6日内服すれば登園・登校していいと思います。しかし、治療服用期間はしっかり服用してください。