10月3日福岡県報告分でマイコプラズマ感染症が前の週の2.5倍に増加していたが、10月10日発表分では51%に減少していた。しかし、小郡周辺での感染も増加しているようで、今週は夜須方面の幼稚園、小学校と小郡小学校でマイコプラズマの感染者がみられました。マイコプラズマの感染経路は咳、痰による飛沫感染ですので、クラスで感染者がいるようであれば、マスクによる感染対策が必要となるでしょう。潜伏期間が2~3週間と長いのでいつまで感染対策をするかが問題ですが、感染が確認後1~2週間感染の可能性があります。抗菌剤服用後5~6日すれば感染の可能性はなくなると言われていますが、それなりの期間マスクなどの感染対策をした方がいいと思います。
感染状況(10月3日福岡県発表分:9/30~10/6) 疾患名 4週間前(患者数) 3週間前 2週間前 先週 先週との比較(%) インフルエンザ 78 97 106 90 85% 新型コロナ感染症 488 471 371 313 84% RSウイルス感染症 87 54 33 28 85% 溶血性連鎖球菌感染 513 516 479 537 112% 感染性胃腸炎 418 405 364 408 112% 手足口病 710 741 781 912 117% マイコプラズマ感染症 293 309 791 406 51%
当院周囲の感染状況 (1)インフルエンザ:宝城中学校でインフルエンザが流行しているということでしたが、今週は感染者はありませんでした。今後の流行に注意してください。予防接種を早期に接種したほうが良さそう。 (2)新型コロナ :これから冬にかけて寒くなるにつれて流行がくるのだろうか?感染状況は減少傾向。 (3)手足口病:夏場の感染症だが、秋になっても減る気配がなく増加していた。 (4)マイコプラズマ感染症:10月3日の県の報告では250%と急増していたが今週報告分では51%と減少していた。今週当院では、三国小学校、城山保育園、夜須の城北幼稚園、東小田小学校、小郡小学校の児で感染者が確認されてました。要注意の状況であることは間違いなさそうだ。
マイコプラズマ肺炎の説明 (1)起因菌:マイコプラズマニューモニア菌 (2)感染経路:咳、痰からの経気道飛沫感染 (3)潜伏期間:2~3週間 (4)感染可能期間:気道上皮に菌が増殖している期間(1~2週間)、強い呼吸器症状のある期間 (5)症状:①頑固でしかも長期にわたる咳 ②発熱:一日中続く熱もあれば、昼間は熱がないが、咳き込む夜間に発熱する熱が持続する。熱が出はじめには咳は少ないが、熱が続くに従い夜間を中心に咳がひどくなる。 (6)診断 ①血液検査:血清学的検査(PA法)抗体が上昇するのに時間がかかる:発熱が7日持続して上昇 ②抗原検査:咽頭ぬぐい液による検査で発熱2~3日で陽性化 ③PCR検査:発熱1日目で陽性化 (7)治療:最近マクロライド(クラリス)耐性菌の報告が多い(アジスロマイシンの普及後増加) ①7歳未満:クラリス48~72時間後効果なければ、オゼックスに変更(7~14日間) ミノマイシンは禁(永久歯に生え変わっていないため、歯牙黄染の可能性あり) ②8歳以上:クラリス48~72時間ご効果なければミノマイシンに変更(7~14日間) ③上記の治療に反応しない場合:プレドニン(副腎皮質ホルモン)1~2日投与(マイコプラズマ肺炎は菌に対するアレルギー反応と考えられている)